
選挙と多数者獲得を重視したマルクス、エンゲルスの革命論を、全著作にわたる解明で歴史的にあとづけた労作。レーニンのマルクス誤読を、その根源までついて是正する。著者の研究『レーニンと「資本論」』から、『国家と革命』と少数者革命論の批判とをぬきだして、二つの独自の論稿に仕上げた。
目次や構成
- まえがき
- 第一部 『国家と革命』を歴史的に読む
- 英訳版へのまえがき
- (一) 『国家と革命』の執筆への経過
- (二) 『国家と革命』の理論的な組み立てとその核心
- (三) レーニンの結論は、マルクス、エンゲルスの国家論と合致するか
- (四) レーニンの強力革命必然論は、どこから生まれたか
- (五) 「議会の多数をえての革命」
− マルクス、エンゲルスの探究 − - (六) レーニンと議会主義
- (七) 革命の平和的発展とレーニン
- 第二部 多数者革命からの後退
− 千渉戦争の時期の少数者革命論 −- (一) この問題意識はどのような過程をへて形成されたか
- 一 国際的な政治論戦の展開とその諸局面
- 二 ロシアの革命事情から見た問題意識の成熟
- (二)少数者革命論 − その内容とその根拠づけ
- 一 憲法制定議会の選挙結果の分析
- 二 レーニンの新しい?革命論″
- 三 エンゲルスの多数者革命論から見ると
- 四 少数者革命論をヨーロッパの革命運動の指針に
- (三)結び レーニンの理論活動の歴史のなかで
- (一) この問題意識はどのような過程をへて形成されたか
著者情報
不破哲三
社会科学研究所所長。1930年生まれ。主な著書「北京の五日間」「私たちの日本改革論」「日本共産党と中国共産党の新しい関係」「二十一世紀と『科学の目』」「科学的社会主義を学ぶ」など多数。