
小泉政治はなぜ外交と政治の危機を生んだのか。打開の道をどこに求めるべきか。この問いがいま、すべての日本国民に投げかけられている。著者が日本の前途をうれい、ともに考えともに努力することを訴えた四つの報告・講演を収録(京都大学での新入生歓迎講演、外交・政治の危機からの国民的活路を提起した二つの報告、憲法改悪派の三つの盲点をついた講演)。
目次や構成
【目次】
- まえがき
- これからの時代と世界のこと、学問のこと
- 激動の時代に大学生活を始めるみなさんに
- 自然の全体像を探求しよう ― キーワードは「唯物論」と「弁証法」
- 社会の全体像をつかむために
- マルクスへのすすめ
- 日本外交のゆきづまりをどう打開するか
戦争終結六十周年 アジア諸国との最近の関係をめぐって- 1 問題の提起―日本外交のゆきづまり根源はどこに?
- 2 日本の戦争とは何だったのか?
- 3 日本の戦後政治は、この戦争にどんな立場をとってきたか
- 4 小泉内閣の問題―靖国参拝と教科書問題
- 5 侵略戦争と植民地支配の歴史に正面から向き合おう
- 6 三つの提案―アジア外交で平和の大戦略を確保するために
- 〔補注〕
- 政治のゆきづまりをどう打開するか
- 1 戦後の政治史のなかで、政治の現状を見る
- 2 外交―「ゆきづまり」はどこまで来ているか
- 3 経済―「ゆきづまり」はどこまで来ているか
- 4 日本共産党は、新しい政治を展望しつつ、「たしかな野党」の責任を果たす
- 5 「たしかな野党」の前進こそが、日本の政治の今後を決める
- 憲法九条改定論の三つの盲点
- 第一の盲点 九条改定は現実政治でいかなる意味をもつか?
―「自衛」論のカゲに本音が隠される― - 第二の盲点 軍事優先の安全保障論が今日の世界で有効か?
―平和の外交戦略の不足こそ決定的な問題― - 第三の盲点 憲法九条を世界はどう見ているか?
―平和のルールづくりの立場で高い評価が広がる―
- 第一の盲点 九条改定は現実政治でいかなる意味をもつか?
著者情報
不破哲三
社会科学研究所所長。1930年生まれ。主な著書「北京の五日間」「私たちの日本改革論」「日本共産党と中国共産党の新しい関係」「二十一世紀と『科学の目』」「科学的社会主義を学ぶ」など多数。