
この夏開かれた「若い機関幹部養成のための特別党学校」の学習講座「日本共産党史について」を、本書で初めて発表。日本共産党の歴史を、たんなる諸事件の連続としてではなく、日本に生まれた科学的社会主義の政党がその道を開拓してきた歴史として描き、その党の今日の到達点がいかにして形づくられてきたかを追体験的に語る。
目次や構成
〔目次〕
- まえがき
- 講義を始めるに当たって
- 第1講 戦前の党史について
- 日本共産党の創立
- 党設立の初期(1922〜24年)
- 本格的な党建設をめざして(25〜30年)
- 弾圧下の党再建(32〜35年)
- 戦時体制下の闘争
- コミンテルンの問題
- 〔資料〕
- ・ 戦前の党史・主要年表
- ・ 治安維持法の弾圧規模
- 第2講 戦後40年代
- 戦後の党の発展
- 二つの政治問題への対応
- 48〜49年。政治指導の弱点
- 〔資料〕
- ・ 占領支配の時期の闘争
- ・ 党指導の弱点について
- ・ 綱領問題の経緯
- 第3講 「50年問題」
- 国際的な背景―スターリンの覇権主義
- 「50年問題」の実体験的な経過
- 「51年問題」におけるソ連などの干渉の全貌
- 〔資料〕
- ・ 「50年問題」の関係年表
- ・ 劉少奇を迎えた宴会でのスターリンの提案
- ・ アジア・太平州労働組合会議における劉少奇の開会の辞
- ・ コミンフォルム批判
- ・ 51年モスクワ会議の諸文書
- ・ 51〜53年の時期に作成されたインド共産党、西ドイツ共産党、ブラジル共産党の「綱領」文書から
- ・ 「六全協決議」から
- 第4講 第7回・第8回党大会と60年代
- 第8回党大会まで
- 60年代―綱領路線にもとづく開拓的な努力
- 政策活動への具体化
- 条約論への取り組み
- 国会での活動について
- 統一戦線の問題
- マスコミで市民権をかちとる
- 〔資料〕
- ・ 民主勢力の統一行動の前進と妨害の記録
- ・ 東京都知事選の統一協定
- ・ 毎日新聞社主催の各党安全保障政策の総討論
著者情報
不破哲三
社会科学研究所所長。1930年生まれ。主な著書「北京の五日間」「私たちの日本改革論」「日本共産党と中国共産党の新しい関係」「二十一世紀と『科学の目』」「科学的社会主義を学ぶ」など多数。