
二十五年前ソ連全盛の時期に刊行された本書は、覇権主義の害悪への先駆的な告発の書として世界的な注目を浴びた。探究は、病床のレーニンの「最後の闘争」から、スターリンと後継者たちの行動、七九年のアフガニスタン侵略におよぶ。認識の的確さはソ連崩壊後の世界情勢でみごとに実証された。その名著がより大判の新装で再び刊行される。
目次や構成
〔目次〕
新装版の刊行にあたって
- 60年前のレーニンの警告
- 民族問題の「理論家」?
- 二月革命における混迷
- 自決権に背を向ける民族問題人民委員
- ソ連邦結成時の二つの統合プラン
- 粗暴な大ロシア人的"警察支配"(デルジモルダ)
- レーニンの「大会への手紙」
- レーニン最後の闘争(上)
- レーニン最後の闘争(下)
- 「遺言」はまもられたか
- 大量弾圧と世界大戦突入
- 独ソ条約路線の大国的おしつけ
- 第二次世界大戦の光と影
- エンゲルスに攻撃のほこ先を
- 対日参戦に刻まれた汚点
- コミンフォルムと干渉主義
- 50年問題とスターリン
- 覇権主義の"カサ"のもとで
- スターリンの死とその"批判"
- 先駆的な自主独立の旗
- 開始された大国主義の攻撃
- 党の"主権"を擁護して
- ワルシャワ条約軍のチェコ侵略
- 二転、三転した干渉"合法化"の策謀
- 軍事ブロックは覇権主義の道具
- タラキ、アミン、カルマル
- ポーランドの権力危機とその背景
- 民族独立の歴史と伝統にそむいて
- 「安全保障」の口実で圧力と干渉
- ソ連の要求を代行する軍事政権
- 24年間、ソ連が編集長を独占
- 心情は反党分派の側に
- ソ連対外路線の「宣伝機関」に変質
- 大国主義克服の国際的意義(上)
- 大国主義克服の国際的意義(下)
著者情報
不破哲三
社会科学研究所所長。1930年生まれ。主な著書「北京の五日間」「私たちの日本改革論」「日本共産党と中国共産党の新しい関係」「二十一世紀と『科学の目』」「科学的社会主義を学ぶ」など多数。