
「医療難民」「健康格差」を生まない社会に
日本の医療はどこへいく 「医療構造改革」と非営利・協同
角瀬保雄=監修 非営利・協同総合研究所 いのちとくらし=編
深刻な医師不足、病院の閉鎖、患者負担の増大……必要な医療が受けられない事態が相次ぎ、助かるはずの命が失われる事態も起きている。なぜ、そのようなことになったのか、どうすればいいのか。国民の命を守る活動の歴史、アメリカやヨーロッパの状況をふまえ、非営利・協同の医療機関の役割に焦点を当てる。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに 角瀬保雄
- 序章 無保険、無医村の時代から現代に 高柳 新
- 平和と医療の平等をめざして
- これからのたたかい
- 第1章 医療保障と非営利・協同 角瀬保雄
- 『医療構造改革』と「健康格差」
- 新自由主義と医療の「市場化」「営利化」
- 医療市場の特殊性と非営利原則
- 医療の公共性と非営利・協同
- 第2章 日本の医療供給体制の現状と今後 岩本鉄矢
- 日本の医療供給体制の実態
- 医療供給制度の特徴
- 「医療構造改革」による危機
- 「医療構造改革」転換の力
- 第3章 2006年「医療改革」の行く末 八田英之
- 2006年の「改革」は何を決めたか
- 保険制度と機能の再編成
- 「改革」の評価と行く末
- 第4章 高齢社会の実態、医療・介護における格差の広がり 廣田憲威
- 高齢者とその医療の現状、今後
- 介護保険制度で日本の介護はどうなったのか
- 介護市場への民間資本導入の実態と地域の要求
- 第5章 米国の格差医療と非営利組織の役割 高山一夫
- 米国の医療保障と医療・健康格差
- 苦悩する医療現場
- 医療改革と非営利組織の役割
- 第6章 ヨーロッパの医療制度改革と非営利・協同セクター 石塚秀雄
- ヨーロッパにおける医療制度モデル
- 各国の医療制度の特徴
- 各国の医療改革と非営利・協同セクター イギリス、フランス、オランダ
- 改革の今後の方向
- おわりに 高柳 新
著者情報
角瀬保雄
1932年東京生まれ。法政大学名誉教授、非営利・協同総合研究所いのちとくらし顧問・名誉理事長。『「大競争時代」と規制緩和』(1998年、新日本出版社)、『非営利・協同組織の経営』(1999年、ミネルヴァ書房)、『企業とは何か』(2005年、学習の友社)など。

日本の医療はどこへいく 「医療構造改革」と非営利・協同
定価2,090円
(本体1,900円)
2007年9月
非営利・協同総合研究所 いのちとくらし
2003年設立。内外の医療・福祉、非営利・協同の実践の調査、政策的提言活動にとりくむ特定非営利活動法人。

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