
憲法九条をめぐる対決の真相はどこにあるのか。憲法改定派の中心に躍り出た「靖国」派は日本をどこに引き込むつもりなのか。憲法の人権規定は「古くさくなった」のか。国民世論の流れ、世界の平和の流れは憲法問題で何を示しているか――社会進歩の大局を見定めつつ憲法改定の反動計画と対決してきた著者の、この十数年来の全論考を集大成した。
目次や構成
〔目次〕
- まえがき
- 第1部
- 憲法対決の全体像をつかもう(2007年)
― 憲法改定派はどんな日本を作ろうとしているか ―- 安倍内閣の成立と憲法問題
- 憲法改定で、日本は世界でのどんな役割を担うことになるのか
- 憲法改定の現在の筋書きをしっかりとつかむ
- 憲法改定は世界平和への逆流
- 憲法改定派は、日本をどんな国にしようとしているのか
- 異常な対米従属をいよいよ広く深いものに
- 軍事最優先主義が日本をもっとも外交に弱い国にする
- ふくれあがる軍事予算が国民生活を押しつぶす
- 社会生活が“靖国”派の考え方でしばられる
- 「憲法九条守れ」の声を国民の多数派に
- 憲法対決の全体像をつかもう(2007年)
- 第2部
- 世界の流れのなかで憲法問題を考える(2004年)
- 第1の角度 憲法九条と世界政治の流れ
- 第2の角度 憲法改定は日本をどんな国際的立場に導くか
- 第3の角度 憲法の人権条項は世界から見てどんな位置にあるのか
- 憲法九条改定論の三つの盲点(2005年)
- 第1の盲点 九条改定は現実政治でいかなる意味をもつか?
― 「自衛」論のカゲに本音が隠される ― - 第2の盲点 軍事優先の安全保障論が今日の世界で有効か?
― 平和の外交戦略の不足こそ決定的な問題 ― - 第3の盲点 憲法九条を世界はどう見ているか?
― 平和のルールづくりの立場で高い評価が広がる ―
- 第1の盲点 九条改定は現実政治でいかなる意味をもつか?
- 世界の流れのなかで憲法問題を考える(2004年)
- 第3部
- 日本国憲法と社会進歩の立場(1991年)
- 主権在民の原則が世界の大勢に
- 平和と民族自決の原則
- 国民の生存権の原則
- 質問への回答
- 日本国憲法の先駆的な意義と日本共産党(1993年)
― 第九条問題と民主的条項を結びつけて ―
- 日本国憲法と社会進歩の立場(1991年)
著者情報
不破哲三
社会科学研究所所長。1930年生まれ。主な著書「北京の五日間」「私たちの日本改革論」「日本共産党と中国共産党の新しい関係」「二十一世紀と『科学の目』」「科学的社会主義を学ぶ」など多数。