
文学に闘争に、若い生命を燃やした多喜二。「三月十五日」から満州侵略戦争下の「党生活者」「地区の人々」まで、成長・挑戦の五年間をたどる。論争の多い笠原問題にも新たな光をあてて作者の真意を解明。今年の多喜二祭記念講演、準備段階の「赤旗インタビュー」、三十年前の最初の多喜二論を、多くの写真・注とともに収録した。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに
- 没後75周年記念講演を前に 多喜二を歴史のなかで読む
- 最初の飛躍 作品「三月十五日」を転機に
- 二つの長篇構想 党の不屈の闘争を時代的規模で
- 「党生活者」など三作 戦争推進勢力との闘争をリアルに
- 小林多喜二 時代に挑戦した五年間
―「一九二八年三月十五日」から「党生活者」「地区の人々」まで―- 多喜二を歴史のなかで読む
- 最初の飛躍(一九二七〜二八年)
- 日本共産党を描きたい 「工場細胞」「オルグ」
- 第二の飛躍(一九三一年後半以後)
- 「転形期の人々」何を主題とする長篇だったか
- 戦争体制下の作品群(その一) 「沼尻村」「党生活者」「地区の人々」
- 戦争体制下の作品群(その二) 反戦闘争の問題。愛情の問題
- 戦争体制下の作品群(その三) 多喜二の長篇構想を探求する
- 受け継がれる多喜二の挑戦
- 小林多喜二の文学と生涯
著者情報
不破哲三
社会科学研究所所長。1930年生まれ。主な著書「北京の五日間」「私たちの日本改革論」「日本共産党と中国共産党の新しい関係」「二十一世紀と『科学の目』」「科学的社会主義を学ぶ」など多数。