
『五七~五八年草稿』、『六一~六三年草稿』など、『資本論』第一巻刊行までの全草稿をもとに、マルクスの経済学発展の全過程を内容と構想の両面から再現。恐慌の「運動論」や「独自の資本主義的生産様式」規定の発見の意義とともに、革命論の発展との相互関係、第一部完成稿の画期的内容にも新たな光を当てる。雑誌『経済』連載に全面的に加筆し、「まえがき」では不破氏の探究のあとが歴史的に語られる。
目次や構成
〔目次〕
- まえがきーー『資本論』形成史を探求して
- 序章 経済学変革の画期をなした諸発見
- I 経済学上の発見を報告するーーマルクスからエンゲルスへの手紙
- 第1章 一般利潤率と絶対地代の発見(1862年)
- 第2章 「発生論的方法」の確立
- 第3章 マルクス独自の「経済表」への到達(1863年)ーー新分野・再生産論に道を開く
- II 恐慌論の探求と展開ーー運動論の発見を軸に
- 第4章 初期段階(1857〜64年)の考察を追う
- 第5章 恐慌の運動論ーー1865年の発見とその意義
- 第6章 『資本論』第三部後半での運動論研究(1865年)ーー第四篇の構想を大きく変更する
- III 「独自の資本主義的生産様式」ーーこの規定の誕生と発展を追跡する
- 第7章 「独自の資本主義的生産様式」という規定の誕生ーー「機械」論続講
- 第8章 『資本論』の『六三〜六五年草稿』と新規定
- IV 『資本論』第一部完成稿の研究
- 第9章 『資本論』第一部ーー完成稿でなにが変わったのか
- 第10章 第一部完成稿の第二部、第三部構想への影響
- 終章 いわゆる「プラン問題」とマルクスの経済学説の発見
著者情報
不破哲三
社会科学研究所所長。1930年生まれ。主な著書「北京の五日間」「私たちの日本改革論」「日本共産党と中国共産党の新しい関係」「二十一世紀と『科学の目』」「科学的社会主義を学ぶ」など多数。