
フランス、スペインの人民戦線運動への介入。中国の“西安事変”の真相とスターリンの蒋介石第一主義。さらに一九三九年、反ファシズムの旗を捨て、独ソ秘密交渉を経てヒトラーとの同盟への大逆転、そのもとでの東ポーランドとバルト3国の併合へ進む。大戦前夜のスターリンの覇権主義の足跡を膨大な具体的歴史資料を駆使して解明した迫真の書。
目次や構成
【目次】
- 第6章 巨悪への画期。変質の理論面での特徴
- 変質の過程をたどる
- 「大テロル」ーー決定的な変質
- 『ソ連共産党(ボ)小史』の発行
- レーニン全集、マルクス・エンゲルス全集のスターリン的編集
- 「大テロル」後の世界の共産主義運動
- 第7章 フランス・スペイン・中国(上)
- フランスの場合ーー人民戦線政府への共産党の参加問題
- スペイン内戦とスターリン秘史
- 第8章 フランス・スペイン・中国(下)
- 中国。西安事変と抗日統一戦線
- 第9章 スターリンとヒトラーの接近
- ミュンヘンの衝撃
- 独ソ交渉の第一段階
- 英仏ソ三国交渉とは何だったか
- ヒトラー、ついに動き出す
- 三国軍事会談。スターリンの采配ぶり
- 第10章 独ソ不可侵条約。ポーランド分割
- 1939年8月の大転換
- 二つの覇権主義国家の政治同盟
- ポーランドの分割から抹殺へ
著者情報
不破哲三
社会科学研究所所長。1930年生まれ。主な著書「北京の五日間」「私たちの日本改革論」「日本共産党と中国共産党の新しい関係」「二十一世紀と『科学の目』」「科学的社会主義を学ぶ」など多数。