
『新版 資本論』刊行開始の記念講演(2019年秋)を序論に、2020年の『前衛』誌に発表した、『資本論』第二部、第三部の編集にあたったエンゲルスの苦闘の経過と意義を解明した論考、マルクスの恐慌理論の成立・展開の過程の歴史的追跡に挑戦した論考を収録する。巻末にはマルクスの恐慌論が現代に生きることを実証した論考を旧著から紹介。
目次や構成
目次
まえがき
- 『資本論』編集の歴史から見た新版の意義
- 1 『資本論』の歴史をふりかえる
- 2 エンゲルスの編集史と後継者の責任
- 3 現行版の編集上の問題点
- 4 そのほかの一連の問題
- 5 新版『資本論』刊行の歴史的な意義
- エンゲルス書簡から 『資本論』続巻の編集過程を探索する
- 1 マルクスの諸草稿発見
- 2 最初の発病
- 3 『家族、私有財産および国家の起源』の執筆
- 4 第二部の編集経過を見る
- 5 第二部の編集内容と作業結果
- 6 第一草稿と恐慌の運動論
- 7 第三部草稿の口述筆記。眼病の苦悩
- 8 第三部の編集に取り組む(1)
- 9 中間の時期に
- 10 第三部の編集に取り組む(2)
- 11 第三部の編集に取り組む(3)
- 12 『資本論』第三部、ついに完成へ
- マルクス研究 恐慌論展開の歴史を追って
- 1 出発点。革命と恐慌の関連に注目する
- 2 恐慌論探究の第一段階
- 3 恐慌の運動論の発見
- 4 『資本論』第一部(1867年)とそれ以後
- 5 恐慌論を『資本論』のどこで展開するか
補論 2008年の世界経済危機とマルクスの恐慌理論
著者情報
不破哲三
社会科学研究所所長。1930年生まれ。主な著書「北京の五日間」「私たちの日本改革論」「日本共産党と中国共産党の新しい関係」「二十一世紀と『科学の目』」「科学的社会主義を学ぶ」など多数。