
千島問題と平和条約
不破哲三=著
日ロ平和交渉締結に向けた政府の交渉の論立てである「南千島は千島にあらず」ははたして世界に通用するのか? 千島列島をめぐる歴史,領土処理の国際的道理など,問題の核心に関わるすべてを解きあかし,対ロ領土交渉の道理と道筋を示す。
目次や構成
- 領土交渉の問題点 ――スターリンの横暴の是正こそが最大の焦点
- 領土交渉では日本側の論立てが問題
- 「南千島は千島にあらず」という議論は世界では通用しない
- 千島列島の取り上げこそ「法と正義の原則」に反するスターリンの横暴だった
- 千島問題 ――その歴史と道理
- 1 二つの国境条約
- 2 ロシア側の記録は語る
- 3 サンフランシスコ条約と戦後処理の原則
- 4 千島放棄条項の廃棄は日本国民の正当な権利
- 5 「千島列島」の範囲について
- 6 「南千島は千島にあらず」
- 7 領土問題での現状打開と解決の道
- 日ソ領土交渉にあたっての提言(四つの提言)
- 日ソ交渉史と「四つの提言」
- 日ソ交渉を前にした両国政府の状況
- 1955~56年の日ソ交渉の経過と教訓
- 日本共産党の領土交渉の経過から
- 「四つの提言」をなぜおこなったか
- 領土問題の討論についての意見と感想
- 千島放棄条項の廃棄問題をめぐって
- 千島列島の歴史をめぐって
- ヤルタ会議とヤルタ協定の問題
- ソ連の安全保障の問題とのかかわり
- ソ連国内法による編入措置の問題
- 「あいまいな取り引き」の危険の問題
- 二島返還と中間条約の問題
- 領土問題の最終的解決とは何か
著者情報
不破哲三
社会科学研究所所長。1930年生まれ。主な著書「北京の五日間」「私たちの日本改革論」「日本共産党と中国共産党の新しい関係」「二十一世紀と『科学の目』」「科学的社会主義を学ぶ」など多数。