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小中一貫教育は大丈夫か? 「平成の学制大改革」の狙いは?

「小中一貫」で学校が消える 子どもの発達が危ない

山本由美=編著 藤本文朗=編著 佐貫浩=編著

定価1,870円(本体1,700円)

出版年月
2016年2月
ISBNコード
978-4-406-05958-9
仕様
0037/ 四六判並製/ 256P
タグ
芸術・生活    教育   
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2016年4月から小中一貫の「義務教育学校」が正式に制度化される。ただ、小中一貫校は全国的に増えたといわれるが、教育効果やデメリットが検証されたとはいえず、導入反対運動も多い。小中学校の統廃合の口実にもなっている実態を告発、政策的背景を分析しながら、教育学、心理学、財政学など多角的視点から検証する。

目次や構成

目  次
 はじめに
 第一部 制度化された小中一貫校と学校統廃合のねらい
 第1章 小中一貫校問題はどうなっているか
 1 義務教育学校の法制化
 2 制度化にいたるまで
 3 小中一貫校の実態
 4 アメリカのケースから見えるもの
 5 対抗軸としての地域
 第二部 小中一貫教育をどう見るか
 ――子どもの発達から考えるその実態
 第2章 全国アンケート調査結果から見た小中一貫教育
 1 全国アンケート調査が明らかにしたこと
 2 今後の課題として残されたこと
 第3章 小中一貫教育と子どもの発達
 ――「今の子どもは発達が早い」という神話を切る
 1 「発達の早期化」への見方
 2 「早期化」「加速化」は制度改革の理由となるか
 3 発達の観点から必要なのは現場で発達権が保障されていること
 第4章 学校跡地活用とまちづくり
 1 地域と学校の関係は子どもの生活、学びに深く関わる
 2 京都市における学校跡地活用
 第5章 小規模校・過疎地の学校統廃合と小中一貫校
 1 歯止めがかからない戦後の学校リストラ
 2 京都における小規模統廃合の現状
 3 複式学級は「地獄」?
 4 光り輝く小規模学校
 5 京都府内の過疎地での小中一貫校
 第6章 教育財政から見た小中一貫教育
 1 「地方創生」と学校統廃合
 2 財界の動きと小中一貫教育の導入
 3 小中一貫校と財政の今後
 第三部 保護者や住民からの批判の声
 第7章 品川区における小中一貫校一〇年の検証とこれから
 1 品川区の小中一貫教育の展開
 2 一〇年目の現状
 3 小中一貫教育の「事実」に基づく検証を
 第8章 京都市東山区での小中一貫校の推進と子どもたちとの矛盾
 1 東山区の小中一貫校の開校と現状
 2 京都での統廃合の歴史から
 第9章 大阪府・市の小中一貫教育の現状
 1 小中一貫教育の「成果」は検証されていない
 2 大阪市の小中一貫校
 3 進められる大阪市の統廃合
 第10章 和泉市の小中一貫教育に対する取り組み
 1 小中一貫教育と一貫校のねらいと問題点
 2 補正予算可決後の運動と到達
 3 小中一貫校のねらいは学校統廃合
 第11章 大阪府池田市の小中一貫教育・学校統廃合に反対する運動
 1 「学校施設再編整備計画」の経緯と内容
 2 白紙撤回を求める運動
 3 「細河小中一貫校」開設に対する要求実現の運動
 第12章 三条市におけるマンモス小中一体校反対運動の軌跡と開校後の惨状
 1 反対運動の軌跡
 2 開校後に露呈した問題とまやかし
 3 反対運動の特徴と今後
 第13章 加東市の小中一貫校導入の顛末
 1 「九小学校を統廃合し三校の小中一貫校にする」
 2 加東市の「公共施設適正配置立案」の概要
 3 各種市民説明会での問題
 4 市民の反対運動

著者情報

山本由美

和光大学教授。東京自治問題研究所常任理事。教育行政学、教育制度を専攻。 横浜国立大学教育学部教育学科、東京大学大学院教育学研究科教育行政学専攻修士課程修了、 同博士課程満期退学。工学院大学非常勤講師、ボストン日本語学校中学部教員などを経て 浦和大学短期大学部准教授、東京田中短期大学こども学科准教授、2010年度から現職。 『学校を取り戻せ』(2016年、花伝社、共編著)、『「小中一貫」で学校が消える』(2016年、新日本出版社、共編著)、『これでいいのか小中一貫校』(2011年、同、共編著)、『小中一貫教育を検証する』(2010年、花伝社、編著)、『学力テスト体制とは何か』(2009年、花伝社)、『ベストスクール』(2002年、花伝社)など著作多数。

藤本文朗

1935年京都府生まれ。滋賀大学名誉教授。教育学博士。東京教育大学卒業、京都大学大学院修了。「ベトちゃん、ドクちゃんの発達を願う会」代表。全国障害者問題研究会顧問。『ベト・ドクと考える世界平和』(共編著、2017年、新日本出版社)、『晃平くん「いのちの差別」裁判』(共編著、2016年、風媒社)など著作多数。

佐貫浩

1946年兵庫県生まれ。法政大教授。教育科学研究会委員長。『危機のなかの教育』(2012年、新日本出版社)、『品川の学校で何が起こっているのか』(2010年、花伝社)、『これでいいのか小中一貫校』(2010年、新日本出版社)、『学力と新自由主義』(2009年、大月書店)、『「自由主義史観」批判と平和教育の方法』(1999年、新日本出版社)。