
『スターリン秘史』は、これまでの現代史の“定説”をどこまで書き換えたか。渡辺氏が専門知識を駆使して時期ごとに整理した論点を軸に、『秘史』が解明した二〇世紀・世界政治の真相とそのことのもつ意義をあらためて浮きぼりにした。『前衛』誌に3回連載した対談に両氏が整理・加筆の手を加えた。巻末に『秘史』関連年表(不破氏作成)も初収録。
目次や構成
- はじめにースターリンとのかかわり
- 現代史の見直しと『スターリン秘史』
- Ⅰ 反ファシズム統一戦線と「大テロル」の時期(一九三四〜一三九年)
- (1) コミンテルン第7回大会をめぐって
- (2) 「大テロル」と個人専制独裁体制の確立
- (3) 人民戦線政府とスターリン
- Ⅱ 独ソ提携の時期(一九三九〜一四一年)
- (1) 独ソ不可侵条約とスターリン覇権主義
- (2) ヒトラーの対ソ攻撃決断、四カ国同盟構想
- Ⅲ 反ファシズム世界戦争の時期(一九四一〜一四五年)
- (1) 反ファシズム世界戦争とスターリン覇権主義
- (2) ポーランドとユーゴスラヴィア
- (3) コミンテルンの解散
- (4) スターリンと対日戦の集結
- Ⅳ 「冷戦」とスターリン戦略(一九四五〜一五三年)
- (1) ヨーロッパでの「冷戦」の始まり
- (2) 「第二戦線」構築という角度から朝鮮戦争を分析する
- 総論的にー現代史の見方が変わってくる
- 『スターリン秘史』関連年表
- 『スターリン秘史』全六巻の巻と章の構成一覧
著者情報
渡辺治
947年、東京生まれ。現在、一橋大学名誉教授、九条の会事務局、日本民主法律家協会理事長。東京大学法学部卒業、東京大学社会科学研究所助教授などを歴任。著書に『日本国憲法「改正」史』(日本評論社)、『憲法「改正」は何をめざすか』(岩波書店)、『「豊かな社会」日本の構造』(労働旬報社)、『高度成長と企業社会』(吉川弘文館)などがある。

現代史とスターリン 『スターリン秘史――巨悪の成立と展開』が問いかけたもの
定価2,420円
(本体2,200円)
2017年6月
不破哲三
社会科学研究所所長。1930年生まれ。主な著書「北京の五日間」「私たちの日本改革論」「日本共産党と中国共産党の新しい関係」「二十一世紀と『科学の目』」「科学的社会主義を学ぶ」など多数。